IPアドレスとは?サブネット・CIDR(/24)の基礎をやさしく解説
IPアドレスはインターネット上の「住所」にあたる番号で、ネットワークを学ぶうえで避けて通れない基礎知識です。本記事ではIPアドレスとは何かから、IPv4の構造、プライベートとグローバルの違い、CIDR表記(/24など)やサブネットマスクの読み方、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの考え方までを、図表を交えながら初心者向けにやさしく解説します。
パソコンやスマホをネットにつなぐと、必ず割り当てられるのがIPアドレスです。設定画面で「192.168.1.10」や「/24」といった表記を見たことがある人も多いでしょう。これらはネットワーク通信の土台となる仕組みですが、いざ意味を問われると曖昧なことも少なくありません。本記事では「IPアドレスとは何か」から、サブネットやCIDRといった少し難しく感じる概念までを、順を追って整理します。
IPアドレスとは何か
IPアドレス(Internet Protocol Address)は、ネットワークに接続された機器を識別するための番号です。よく「インターネット上の住所」にたとえられます。手紙を届けるには宛先の住所が必要なように、データ(パケット)を正しい相手に届けるには、送信元と宛先のIPアドレスが必要になります。
現在広く使われているのはIPv4という方式で、「192.168.1.1」のようにピリオドで区切られた4つの数字で表します。各数字は0〜255の範囲を取ります。世界中の機器が一意に識別できるよう、グローバルなアドレスは重複しないように管理されています。なお、IPv4のアドレス枯渇に対応するため、より広大な空間を持つIPv6も普及が進んでいますが、本記事ではまず基礎としてIPv4を中心に説明します。
IPv4アドレスの構造(32ビット)
IPv4アドレスは、内部的には32ビット(0と1が32個)の数値です。これを人間が読みやすいように、8ビットずつ4つに区切り、それぞれを10進数に直して表記します。8ビットの固まりをオクテットと呼びます。
| 表記 | 1つ目 | 2つ目 | 3つ目 | 4つ目 |
|---|---|---|---|---|
| 10進数 | 192 | 168 | 1 | 10 |
| 2進数 | 11000000 | 10101000 | 00000001 | 00001010 |
8ビットで表せる範囲は0〜255なので、各オクテットの最大値は255になります。ここで重要なのは、1つのIPアドレスが「ネットワーク部」と「ホスト部」の2つに分かれているという点です。ネットワーク部は「どのネットワークに属するか」を、ホスト部は「そのネットワーク内のどの機器か」を表します。住所でいえば、ネットワーク部が「町名」、ホスト部が「番地」のようなイメージです。どこまでがネットワーク部かを決めるのが、後述するサブネットマスクやCIDRの役割です。
プライベートIPとグローバルIPの違い
IPアドレスには大きく分けてグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2種類があります。
- グローバルIPアドレス:インターネット全体で一意な、外向けの住所です。プロバイダから割り当てられ、Webサーバーや家庭のルーターの外側などに使われます。
- プライベートIPアドレス:家庭や社内など、閉じたネットワークの中だけで使う住所です。外部とは直接通信せず、ルーターのNATという仕組みを通じてグローバルIPに変換されてインターネットへ出ます。
プライベートIPには利用できる範囲があらかじめ決められています。
| 範囲 | 例 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 10.0.0.0 〜 10.255.255.255 | 10.0.0.5 | 大規模ネットワーク |
| 172.16.0.0 〜 172.31.255.255 | 172.16.0.1 | 中規模ネットワーク |
| 192.168.0.0 〜 192.168.255.255 | 192.168.1.1 | 家庭・小規模 |
家庭のWi-Fiでよく見る「192.168.〜」は、まさにこのプライベートIPです。自分の機器に今どんなIPが割り当てられているかは、IPアドレス確認ツールで外向けのグローバルIPを手軽に調べられます。
CIDR表記とは(/24などの意味)
ネットワークの範囲を表すときに、「192.168.1.0/24」のような書き方を見かけます。この末尾の/24がCIDR(サイダー、Classless Inter-Domain Routing)表記です。スラッシュの後ろの数字は、32ビットのうち先頭から何ビットがネットワーク部かを示します。
たとえば /24 なら、先頭24ビットがネットワーク部、残りの8ビットがホスト部です。ホスト部が8ビットということは、そのネットワークには 2の8乗=256個のアドレスが含まれます。代表的な値を整理すると次のようになります。
| CIDR | ホスト部のビット | 含まれるアドレス数 | 利用可能なホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 8ビット | 256 | 254 |
| /25 | 7ビット | 128 | 126 |
| /26 | 6ビット | 64 | 62 |
| /30 | 2ビット | 4 | 2 |
「利用可能なホスト数」が含まれるアドレス数より2つ少ないのは、後述するネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの分が予約されているためです。数字が大きいほどネットワークは小さく(細かく)なる、と覚えておくとよいでしょう。範囲を手計算するのは面倒なので、CIDR・サブネット計算ツールを使えば、入力したCIDRからアドレス範囲やホスト数を一瞬で確認できます。
サブネットマスクの役割
CIDRの「/24」と同じ情報を、別の形で表したものがサブネットマスクです。サブネットマスクは、IPアドレスと同じ32ビットの値で、ネットワーク部を1、ホスト部を0で表します。
| CIDR | サブネットマスク |
|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 |
| /16 | 255.255.0.0 |
| /8 | 255.0.0.0 |
「255.255.255.0」を2進数にすると「11111111.11111111.11111111.00000000」となり、先頭から24個の1が並びます。これがそのまま /24 を意味します。つまりCIDRとサブネットマスクは同じことを別の書き方で表現しているだけです。機器はIPアドレスとサブネットマスクを照らし合わせて、通信相手が「同じネットワーク内にいるか(直接届けられる)」「外のネットワークか(ルーターに渡す必要がある)」を判断しています。
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス
1つのネットワーク(サブネット)の中で、特別な意味を持つアドレスが2つあります。
- ネットワークアドレス:ホスト部がすべて0のアドレス。そのネットワーク自体を表す番号で、機器には割り当てません。/24なら 192.168.1.0 がこれにあたります。
- ブロードキャストアドレス:ホスト部がすべて1のアドレス。そのネットワーク内の全機器に一斉送信するための番号です。/24なら 192.168.1.255 がこれにあたります。
この2つは予約されているため、実際に機器へ割り当てられるのはその間のアドレスだけです。だから /24(256アドレス)で使えるホストは 254 個になるわけです。たとえば 192.168.1.0/24 なら、192.168.1.1 〜 192.168.1.254 が機器用、192.168.1.0 がネットワークアドレス、192.168.1.255 がブロードキャストアドレスとなります。
実務で押さえておきたいポイント
最後に、ネットワーク設定でつまずかないための実用的なポイントをまとめます。
- 同じネットワーク内かを意識する:通信できないトラブルの多くは、相手と自分のネットワーク部が一致していないことが原因です。IPとサブネットマスクをセットで確認しましょう。
- ホスト数から逆算してCIDRを選ぶ:必要な機器の台数に対し、ネットワークアドレスとブロードキャスト分の余裕を見て適切な大きさを選びます。
- 計算はツールに任せる:CIDRからアドレス範囲を割り出す作業は、慣れても間違えやすい部分です。CIDR・サブネット計算ツールで確認し、自分のグローバルIPはIPアドレス確認ツールで調べるのが確実です。
IPアドレスは「ネットワーク部+ホスト部」、CIDRやサブネットマスクは「その境目をどこに引くか」を決める仕組みだと理解できれば、サブネットの話は一気に見通しがよくなります。まずは身近な 192.168.1.0/24 のような例で、ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・使えるホスト範囲を自分で書き出してみると、知識が定着しやすいでしょう。
よくある質問
IPアドレスとは何ですか?
ネットワークに接続された機器を識別するための番号で、インターネット上の住所にたとえられます。データを正しい相手に届けるために送信元と宛先のIPアドレスが使われます。現在主流のIPv4は「192.168.1.1」のようにピリオドで区切った4つの数字(各0〜255)で表します。
プライベートIPとグローバルIPの違いは?
グローバルIPはインターネット全体で一意な外向けの住所で、プロバイダから割り当てられます。プライベートIPは家庭や社内など閉じたネットワーク内だけで使う住所で、192.168.〜などが代表例です。プライベートIPはルーターのNATでグローバルIPに変換されて外部と通信します。
CIDRの「/24」とは何を意味しますか?
32ビットのIPアドレスのうち、先頭から何ビットがネットワーク部かを示す表記です。/24なら先頭24ビットがネットワーク部、残り8ビットがホスト部で、256個のアドレス(うち利用可能なホストは254個)を含みます。数字が大きいほどネットワークは小さくなります。
サブネットマスクとCIDRの関係は?
同じ情報を別の形で表したものです。サブネットマスクはネットワーク部を1、ホスト部を0で表す32ビットの値で、255.255.255.0が/24に対応します。2進数にすると先頭から1が24個並ぶため、/24と同じ意味になります。
ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスとは?
ネットワークアドレスはホスト部がすべて0のアドレスでネットワーク自体を表し、ブロードキャストアドレスはホスト部がすべて1で全機器への一斉送信に使います。この2つは予約されているため機器には割り当てず、/24では使えるホストが254個になります。