摂氏・華氏・ケルビンの違い|温度の変換式と覚え方をやさしく解説
世界には主に3つの温度の単位があります。日本でおなじみの摂氏(℃)、アメリカなどで使われる華氏(℉)、そして科学の世界で使うケルビン(K)です。本記事では、それぞれの基準点の違い、摂氏と華氏の変換式、ケルビンと絶対零度の関係、海外の天気予報の読み方、暗算でできる変換の覚え方までをやさしく解説します。
海外のニュースで「今日の気温は80度」と聞いて驚いた経験はないでしょうか。日本の感覚では80度はお湯のような温度ですが、これは華氏(℉)での表現で、摂氏に直すと約27度、ちょうど過ごしやすい夏日です。温度には世界共通の単一の単位があるわけではなく、地域や用途によって摂氏・華氏・ケルビンという3つの単位が使い分けられています。本記事では、それぞれの違いと変換の方法を順を追って解説します。
3つの温度の単位とは
温度を表す単位として広く使われているのは、次の3つです。それぞれ「どこを基準(ゼロや目盛りの起点)にするか」が異なります。
- 摂氏(せっし、℃/degree Celsius):水が凍る温度を0度、沸騰する温度を100度とした単位。日本をはじめ世界の多くの国で日常的に使われます。
- 華氏(かし、℉/degree Fahrenheit):主にアメリカ合衆国で使われる単位。水の凝固点が32度、沸騰点が212度という、摂氏とは異なる目盛りを持ちます。
- ケルビン(K/kelvin):科学の世界で使われる温度の単位。理論上もっとも低い温度である「絶対零度」を0としています。
同じ「暑い・寒い」を表していても、単位が違えば数字はまったく異なります。だからこそ、単位の意味と変換のしかたを知っておくと、海外の情報を正しく読み取れるようになります。具体的な数値を素早く換算したいときは、単位変換ツールを使うと、温度を含むさまざまな単位を入力するだけで変換できます。
摂氏(℃):水を基準にした単位
摂氏は、スウェーデンの天文学者セルシウスにちなんで名付けられた単位で、記号は「℃」です。最大の特徴は、水という身近な物質を基準にしている点にあります。標準的な大気圧のもとで、水が凍る温度(凝固点)を0℃、沸騰する温度(沸点)を100℃と定め、その間を100等分しています。
0と100というきりのよい数字で日常の温度をとらえられるため、天気予報や体温、料理の温度管理など、生活のあらゆる場面で直感的に使えます。たとえば体温の36〜37℃、夏の猛暑日の35℃、真冬の氷点下といった感覚は、多くの人が体で覚えているはずです。日本やヨーロッパ、アジアの大半の国がこの摂氏を採用しています。
華氏(℉)と海外の天気予報
華氏は、ドイツの物理学者ファーレンハイトが考案した単位で、記号は「℉」です。摂氏とは基準点が異なり、水の凝固点を32℉、沸騰点を212℉としています。この間は180等分されており、摂氏の「100」に対して華氏は「180」の幅を持つため、1℃の変化は1.8℉の変化に相当します。
華氏はアメリカ合衆国などで今も日常的に使われています。アメリカの天気予報で「Today's high will be 90 degrees(今日の最高気温は90度)」と言えば、これは摂氏約32℃を意味し、かなり暑い一日だと分かります。海外の天気予報を読むときの目安として、おおよそ次の対応を覚えておくと便利です。
| 華氏(℉) | 摂氏(℃) | 体感の目安 |
|---|---|---|
| 32℉ | 0℃ | 水が凍る・真冬 |
| 50℉ | 10℃ | 肌寒い・上着が必要 |
| 70℉ | 21℃ | 快適・過ごしやすい |
| 90℉ | 32℃ | かなり暑い・真夏 |
| 100℉ | 38℃ | 猛暑・体温超え |
「華氏100度は体温くらい」と覚えておくと、海外旅行先で気温を見たときにもおおよその暑さがつかめます。正確な数値が必要なときは、単位変換ツールで華氏と摂氏を入力して確認するのが確実です。
ケルビン(K)と絶対零度
ケルビンは、科学の世界、特に物理学や化学で使われる温度の単位で、記号は「K」です(℃や℉のように「度」を付けず、単に「ケルビン」と読みます)。最大の特徴は、ゼロの位置が摂氏や華氏とまったく違うことです。ケルビンは、理論上これ以上下がらない最低の温度「絶対零度」を0Kとしています。
絶対零度は、物質を構成する分子の熱運動がほぼ完全に止まる温度で、摂氏でいうと約マイナス273.15℃に相当します。つまりケルビンは、摂氏の目盛りの幅(1度の大きさ)はそのままに、ゼロの起点だけを絶対零度までずらした単位だといえます。そのため、摂氏とケルビンの変換は足し引きだけで済みます。
科学でケルビンが好まれるのは、マイナスの値が出ないうえ、温度が2倍になればエネルギーも比例して2倍になるといった計算がしやすいためです。気体の体積や圧力を扱う物理の法則は、摂氏ではなくケルビンを使うことで素直に表せます。
摂氏・華氏・ケルビンの変換式
3つの単位は、次の式で互いに変換できます。難しく見えますが、関係さえ分かれば電卓で簡単に計算できます。
| 変換 | 計算式 |
|---|---|
| 摂氏 → 華氏 | ℉ = ℃ × 1.8 + 32 |
| 華氏 → 摂氏 | ℃ = (℉ − 32)÷ 1.8 |
| 摂氏 → ケルビン | K = ℃ + 273.15 |
| ケルビン → 摂氏 | ℃ = K − 273.15 |
摂氏と華氏の変換でポイントになるのは、「1.8倍」と「32を足す(引く)」の2段階です。摂氏から華氏にするときは、まず1.8倍して目盛りの幅をそろえ、最後に32を足して起点をずらします。逆に華氏から摂氏にするときは、先に32を引いてから1.8で割ります。順番を間違えると答えがずれるので注意しましょう。
たとえば摂氏25℃を華氏にするなら、25 × 1.8 + 32 = 77℉。逆に華氏68℉を摂氏にするなら、(68 − 32)÷ 1.8 = 20℃です。ケルビンは摂氏に273.15を足すだけなので、25℃なら298.15Kとなります。複数の単位を一度に確認したいときは、単位変換ツールに数値を入力すれば手早く換算できます。
変換の覚え方とコツ
毎回正確な式を使うのが理想ですが、日常では暗算でおおよその見当をつけられると便利です。摂氏と華氏の変換には、次のような近似の覚え方があります。
- 摂氏→華氏のざっくり計算:「2倍して30を足す」。たとえば20℃なら 20×2+30=70℉(正確には68℉)。少し高めに出ますが、おおよその目安には十分です。
- 覚えやすい一致点:摂氏と華氏が同じ値になるのはマイナス40度(−40℃ = −40℉)。極端な数字なので記憶に残りやすく、検算の足がかりにもなります。
- キリのよい対応:0℃=32℉、10℃=50℉、100℃=212℉。この3つを覚えておくと天気予報の読み取りが一気に楽になります。
ケルビンについては、摂氏に約273を足すとだけ覚えておけば十分です。日常生活でケルビンを使う場面は多くありませんが、「絶対零度=約−273℃」という事実を知っておくと、宇宙空間の温度や超低温の世界を語る記事を読むときに理解が深まります。
温度の単位は、それぞれが異なる目的のために設計されています。生活に密着した摂氏、アメリカ圏で根強い華氏、科学のための絶対的な基準であるケルビン。基準点と変換式さえ押さえれば、どの単位で書かれた情報も怖くありません。実際の換算で迷ったときは、単位変換ツールを活用してみてください。
なお本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。厳密な定義や最新の基準(測定の標準化など)は更新されることがあるため、正確さが求められる場面では最新の公式情報を確認のうえ判断してください。
よくある質問
摂氏と華氏は何が違うのですか?
基準点と目盛りの幅が異なります。摂氏は水が凍る温度を0℃、沸騰する温度を100℃とし、その間を100等分します。華氏は水の凝固点を32℉、沸騰点を212℉とし、間を180等分します。そのため1℃の変化は1.8℉の変化に相当し、変換には「1.8倍して32を足す」という計算が必要です。
ケルビンと摂氏はどう変換しますか?
ケルビンは摂氏に273.15を足すだけで求められます(K = ℃ + 273.15)。逆にケルビンから摂氏に戻すときは273.15を引きます。ケルビンは目盛りの幅が摂氏と同じで、ゼロの起点を絶対零度(約−273.15℃)にずらした単位なので、足し引きだけで変換できるのが特徴です。
絶対零度とは何ですか?
絶対零度とは、理論上これ以上は下がらない最低の温度のことで、物質を構成する分子の熱運動がほぼ完全に止まる状態を指します。摂氏でいうと約−273.15℃、ケルビンでは0Kにあたります。ケルビンはこの絶対零度を起点(ゼロ)にしているため、マイナスの値が出ないのが特徴です。
海外の天気予報の華氏はどう読めばよいですか?
おおよその対応として、32℉=0℃(真冬)、50℉=10℃(肌寒い)、70℉=21℃(快適)、90℉=32℃(真夏)、100℉=38℃(体温超え)を覚えておくと便利です。ざっくり暗算するなら「華氏から32を引いて2で割る」とおおよその摂氏になります。
温度変換ツールで入力した値はサーバーに送信されますか?
WAZA TOOLSの単位変換ツールはすべてブラウザ内で処理され、入力した値がサーバーに送信・保存されることはありません。スマートフォンでも利用でき、摂氏・華氏・ケルビンなどの変換を何度でも無料で行えます。