計算

犬・猫の年齢は人間でいうと何歳?×7が間違いな理由と大きさ別の早見表

犬の1歳は人間の7歳ではありません。犬は最初の1〜2年で一気におとなになり、その後は体の大きさによって年のとり方が変わります。環境省とAKCの目安、DNAから導いたUCSDの式とその限界、猫の換算、ライフステージと健康診断の頻度までを、出典つきで整理しました。

公開: 2026-10-16

「うちの子は人間でいうと何歳?」は、犬や猫と暮らす人なら一度は気になる疑問です。よく聞く「犬の1歳は人間の7歳」という計算は、実は根拠のある換算ではありません。犬は1〜2年で一気におとなになり、その後の年のとり方は体の大きさによっても変わるからです。この記事では、×7が間違いな理由、大型犬ほど早く年をとるわけ、環境省と米国ケネルクラブ(AKC)の目安、DNAから導かれたUCSDの式とその限界、猫の換算、シニア期の健康管理までを出典つきで整理します。

「1年=7歳」(×7)が正しくない理由

「犬の年齢×7」という換算は、1950年代ごろから広く使われてきたといわれます。由来ははっきりしませんが、人の寿命を約70年、犬を約10年とした比率から生まれたという説があります(AKC)。

いちばんのずれは、最初の1〜2年です。犬は生後1年ほどで体がほぼおとなになり、AKCも「犬は最初の2年でもっとも速く年をとる」としています。×7なら1歳の犬は人の7歳、つまり小学生ですが、実際には人の15歳前後にあたると考えられています。反対に高齢では、×7は大きすぎる値を出しがちです。10歳の小型犬は×7なら70歳ですが、環境省やAKCの目安では56歳です。

米国獣医師会(AVMA)も、よく信じられているのとは違い、犬は1年に人の7年分の年をとるわけではないと明記しています。AKCがAVMAの目安として紹介しているのは、1年目で人の15歳、2年目でさらに約9歳(計24歳)、その後は1年に約5歳という換算です。ただしこれも中型犬を想定した値で、実際には大きさによって変わります。うちの子の年齢をすぐに知りたいときは、犬・猫の年齢換算ツールに年齢か誕生日を入れると、大きさ別に換算できます。

犬は大きさで老け方が違う(大型犬ほど速い)

哺乳類全体では体の大きな動物ほど長生きする傾向がありますが、犬では反対に、体の大きな犬種ほど寿命が短い傾向があります。犬種による体の大きさの差は100倍近く、平均寿命の差は2倍ほどにもなります。

74犬種の死亡データを分析した2013年の研究(Kraus ら)では、老化が始まる時期と体の大きさにははっきりした関係がなく、差を生んでいたのは年齢とともに死亡リスクが高まる速さ、つまり老化のスピードでした。論文は、大型犬が若くして亡くなるのは主に早く年をとるためだと結論づけています。AKCは、体重が約2kg(4.4ポンド)増えるごとに平均寿命が約1か月短くなるという結果も紹介しています。大型犬の老化が速い仕組みは、まだわかっていません。

そのため犬の年齢の目安は、大きさで分けて考えます。AKCのチャートは成犬時の体重で次の4つに分けています。

区分成犬時の体重(AKC)犬種の例
小型犬20ポンド(約9kg)以下チワワ、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド
中型犬21〜50ポンド(約9〜23kg)ビーグル、ウェルシュ・コーギー、ボーダー・コリー
大型犬51〜100ポンド(約23〜45kg)ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー
超大型犬100ポンド(約45kg)超グレート・デーン、セント・バーナード

柴犬のように個体によって境目にまたがる犬種やミックス犬は、実際の体重(子犬なら成犬になったときの見込みの体重)で選ぶのが目安です。

日本の目安:環境省の換算式

日本でよく使われるのが、環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年)に載っている「犬と人間、猫と人間の年齢の目安」です。小〜中型犬・猫と大型犬の2つに分けて、次の式で表されています。

小〜中型犬・猫:人の年齢 = 24 +(年齢 − 2)× 4
大型犬:人の年齢 = 12 +(年齢 − 1)× 7

小〜中型犬と猫は「最初の2年で24歳、3年目からは1年に4歳ずつ」(1歳は15歳)、大型犬は「最初の1年で12歳、2年目からは1年に7歳ずつ」年をとるという考え方です。たとえば7歳なら、小型犬は24+(7−2)×4=44歳、大型犬は12+(7−1)×7=54歳です。大型犬は3歳までは小〜中型犬より若い値ですが、4歳で逆転します。

ガイドラインにも「品種等によってもこの関係は違ってきます」とあり、あくまで目安です。区分は2つだけなので、超大型犬は大型犬の式で考えます。

米国の目安:AKCの体重別チャート

米国ケネルクラブ(AKC)は、体重別の4区分で1〜16歳の犬の年齢を人の年齢に置き換えたチャートを公開しています。小型・中型・大型は5歳まで同じ値(1歳15歳、2歳24歳、以降1年に4歳)で、6歳から差がつき始めます。超大型犬だけは1歳12歳、2歳22歳と別の値で、その後はおおむね1年に7歳前後ずつ進みます。

16歳では小型犬80歳、中型犬87歳、大型犬99歳、超大型犬121歳と、40歳以上の差があります。12〜16歳の伸びを平均すると、1年あたり小型犬4歳、中型犬4.5歳、大型犬5.5歳、超大型犬7歳です。同じ10歳の犬でも、換算方法によって値はこれだけ違います。

10歳の犬環境省AKC×7の俗説
小型犬56歳56歳70歳
中型犬56歳60歳70歳
大型犬75歳66歳70歳
超大型犬75歳(大型犬の式)79歳70歳

小型犬では日米の目安がほぼ同じですが、大型犬では環境省の式のほうが高めに出ます。どちらが正しいというより、作り方の違う2つの目安として、幅をもって受け止めるのがおすすめです。なお、次に紹介するUCSDの式では、10歳は大きさに関係なく約68歳です。

DNAから導いたUCSDの式とその限界

2020年、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)などの研究チームが、DNAの変化をもとにした換算式を学術誌Cell Systemsに発表しました(Wang ら)。DNAには年齢とともに変化する「メチル化」という化学的な目印があり、人の年齢の推定(エピジェネティック時計)にも使われています。チームは主にラブラドール・レトリーバーの104頭(生後約1か月〜16歳)の血液を調べ、人のデータと比べて次の式を導きました。

人の年齢 = 16 × ln(犬の年齢)+ 31(lnは自然対数)

この式では、1歳は約31歳、2歳は約42歳、4歳は約53歳、10歳は約68歳、16歳は約75歳です。論文によると、生後8週ごろの子犬は人の生後9か月ごろ(どちらも乳歯が生える時期)に、ラブラドールの平均的な寿命の12歳は世界の人の平均寿命の70歳に対応します。若いうちに急速に年をとり、その後ゆるやかになる犬の老化を、DNAのレベルで示した研究です。ただし、日常の換算に使うには次のような限界があります。

  • ほぼ1犬種のデータ:対象は主にラブラドールで、寿命が大きく異なる犬種では換算の式が違ってくる可能性があると論文自身が述べています。
  • 若い時期の値が極端:1歳で31歳と、環境省やAKCの目安(15歳前後)の約2倍です。生後7〜8週より前は計算上マイナスになり、1歳未満には向きません。
  • 高齢での伸びが小さい:対数の式なので、年齢が上がるほど伸びがゆるやかになり、20歳でも約79歳です。16歳を超える年齢は研究データの範囲外です。

AKCも、1犬種だけの研究なので自分の犬の「人間の年齢」とは合わないかもしれないと注意しています。「×7」よりは科学的な裏付けがありますが、体重別の目安の代わりというより、参考値として見るのがよいでしょう。

猫の年齢の換算(FelineVMA・環境省)

猫の目安は、犬のように体の大きさで分けず1種類です。米国猫獣医師会(FelineVMA、旧AAFP)の「Feline Life Stages」では、1か月≒1歳、3か月≒4歳、6か月≒10歳、1歳≒15歳、2歳≒24歳とし、その後は1年に4歳ずつ進みます。2歳以降は環境省の小〜中型犬・猫と同じ「24+(年齢−2)×4」で、日本と米国の目安が一致しています。

猫の年齢人間の年齢猫の年齢人間の年齢
1か月1歳7歳44歳
3か月4歳10歳56歳
6か月10歳12歳64歳
1歳15歳15歳76歳
2歳24歳18歳88歳
3歳28歳20歳96歳
4歳32歳25歳116歳

子猫の1年は、人でいえば生まれてから15歳ごろまでにあたる急成長の期間です。FelineVMAと米国動物病院協会(AAHA)の2021年のガイドラインは、猫の一生を子猫期(1歳まで)、若年成猫期(1〜6歳)、成熟成猫期(7〜10歳)、シニア期(10歳以上)と、年齢を問わない終末期に分けています。

犬・猫の年齢早見表(1〜20歳)

ここまでの目安を、1〜20歳の早見表にまとめました。数値は犬・猫の年齢換算ツールの早見表と同じです。まずは日本の目安(環境省)です。

年齢小型犬・中型犬・猫大型犬・超大型犬参考:UCSD式(犬)
1歳151231
2歳241942
3歳282649
4歳323353
5歳364057
6歳404760
7歳445462
8歳486164
9歳526866
10歳567568
11歳608269
12歳648971
13歳689672
14歳7210373
15歳7611074
16歳8011775
17歳8412476*
18歳8813177*
19歳9213878*
20歳9614579*

※数値は人間の年齢(歳)です。環境省の資料の表は、大型犬が15歳(110歳)まで、小〜中型犬・猫が20歳(96歳)までです。大型犬の16歳以降は式をそのまま延ばした値で、人の寿命を超えるため参考程度にしてください。UCSD式の*は研究データ(16歳まで)の範囲外です。

次に米国の目安(犬はAKC、猫はFelineVMA)です。

年齢小型犬中型犬大型犬超大型犬猫
1歳1515151215
2歳2424242224
3歳2828283128
4歳3232323832
5歳3636364536
6歳4042454940
7歳4447505644
8歳4851556448
9歳5256617152
10歳5660667956
11歳6065728660
12歳6469779364
13歳68748210068
14歳72788810772
15歳76839311476
16歳80879912180
17歳84*92*105*128*84
18歳88*96*110*135*88
19歳92*101*116*142*92
20歳96*105*121*149*96

※AKCのチャートは16歳までです。*のついた17歳以降の犬の値は、12〜16歳の平均の伸び(1年あたり小型4歳・中型4.5歳・大型5.5歳・超大型7歳)で延ばした推定値です。誕生日から生まれて何日たったかを数えるなら、年齢計算ツールも使えます。

ライフステージとシニア期の健康管理

人の年齢への換算は家族の話題として楽しいものですが、健康管理ではライフステージ(成長の段階)で考えるほうが実用的です。犬に関する2019年のAAHAのガイドラインも、人の年齢に換算しようとするより、年齢と体の特徴でステージを決めることをすすめています。成長期とシニア期の主な目安は次のとおりです。

区分成長期の目安(環境省)シニア期の目安
小型犬10か月ぐらいまで8〜11歳ごろから(AVMA)
中型犬1年ぐらいまで8〜10歳ごろから(AVMA)
大型犬1年半ぐらいまで8〜9歳ごろから(AVMA)、6〜7歳以降(環境省)
超大型犬―6〜7歳ごろから(AVMA)
猫1年ぐらいまで10歳以上(FelineVMA・AVMA)。7〜10歳は成熟期

環境省は約8〜10歳(大型犬は6〜7歳)以降を「中高齢期」としています。AVMAは犬種ごとの推定寿命の最後の25%をシニアとしています(AVMAの体重区分は大型犬50〜90ポンド、超大型犬90ポンド超)。健康診断の頻度の目安は次のとおりです。

時期犬猫
子犬・子猫期ワクチンなどで何度か通院。予定は動物病院で確認少なくとも年1回(FelineVMA)。ワクチンの予定は動物病院で確認
成犬・成猫期半年〜1年に1回(AAHA)少なくとも年1回(FelineVMA)
シニア期少なくとも半年に1回(AAHA。AVMAは年2回以上)少なくとも半年に1回(FelineVMA。AVMAは年2回以上)

シニア期に入ったら、次の点にも気を配りましょう。

  • 体重の変化:シニアの犬では体重の増加が、シニアの猫では減少がより心配です。急な体重減少は、特に猫では甲状腺機能亢進症、がん、糖尿病、腎臓病などのサインのことがあります(AVMA)。
  • フードの切り替え:シニア用などに替えるときは、1〜2週間かけて新しいフードの割合を少しずつ増やします(環境省)。
  • 暮らしの工夫:視力・聴力、足腰、認知機能が衰えやすくなります。床や階段を滑りにくくする、段差を減らす、寝床を整えるといった工夫が役立ちます(AAHA・AVMA)。
  • 行動の変化:食欲、歩き方、トイレ、鳴き方、睡眠の変化は、痛みや病気のサインのことがあります。気づいた変化は具体的に獣医師へ伝えましょう(AVMA)。

同じ犬種・同じ年齢でも、老化の進み方には個体差があります。数字にとらわれすぎず日々の様子に目を向け、気になることがあれば早めに獣医師に相談しましょう。

出典・参考資料

※本記事は、2026年10月時点で確認した環境省・AKC・AVMA・FelineVMAなどの資料と論文をもとに、犬・猫の年齢換算とライフステージの一般的な目安をまとめたものです。換算した年齢やライフステージは犬種・猫種、体格、健康状態などによって異なり、健康状態の判断や診療の代わりにはなりません。気になることがあれば、かかりつけの動物病院(獣医師)にご相談ください。

よくある質問

犬の1歳は人間でいうと何歳ですか?

小型犬・中型犬は、環境省の目安でもAKCのチャートでも約15歳です(AKCでは大型犬も15歳)。環境省の式では大型犬が12歳、AKCのチャートでは超大型犬が12歳です。「×7」で計算した7歳よりずっと上で、犬は生後1年ほどで体がほぼおとなになります。2歳では、小〜中型犬で約24歳が目安です。

10歳の犬は人間でいうと何歳ですか?

小型犬は環境省・AKCとも約56歳、中型犬は56歳(環境省)〜60歳(AKC)、大型犬は66歳(AKC)〜75歳(環境省)、超大型犬は75歳(環境省の大型犬の式)〜79歳(AKC)が目安です。DNAから導いたUCSDの式では、大きさに関係なく約68歳です。

猫の年齢は人間でいうと何歳ですか?

猫は1歳で約15歳、2歳で約24歳になり、その後は1年に4歳ずつ進みます(24+(年齢−2)×4)。10歳で56歳、15歳で76歳、20歳で96歳が目安です。米国猫獣医師会(FelineVMA)と環境省の目安は同じ値です。1歳未満は、1か月≒1歳、3か月≒4歳、6か月≒10歳が目安です。

UCSDの式(16×ln(年齢)+31)はどのくらい正確ですか?

DNAのメチル化をもとにした科学的な換算ですが、主にラブラドール・レトリーバーの研究から導かれたもので、寿命の違う犬種では換算が異なる可能性があると論文でも述べられています。1歳で31歳と高めに出て、生後7〜8週より前は計算上マイナスになります。1歳以上の犬の参考値として、体重別の目安とあわせて見るのがおすすめです。

犬や猫は何歳からシニアですか?

目安として、小型犬・中型犬は8歳ごろ、大型犬・超大型犬は6〜7歳ごろからです。環境省は約8〜10歳(大型犬は6〜7歳)以降を中高齢期としています。米国獣医師会(AVMA)は犬種の推定寿命の最後の25%をシニアとし、小型犬8〜11歳、中型犬8〜10歳、大型犬8〜9歳、超大型犬6〜7歳としています。猫は10歳以上がシニアで、7〜10歳は成熟期とされます(FelineVMA・AVMA)。

シニアになったら健康診断はどのくらいの頻度で受ければいいですか?

シニア期は少なくとも半年に1回が目安です(犬はAAHA、猫はFelineVMA。AVMAも年2回以上としています)。成犬は半年〜1年に1回、成猫は少なくとも年1回が目安です。持病や体調によって適した頻度は変わるため、かかりつけの獣医師に相談してください。