順列と組合せの違い|nPrとnCrの公式・階乗・くじやチーム分けの計算をやさしく解説
「順番を区別するかどうか」――たったこれだけの違いで、答えの数は大きく変わります。本記事では、順列nPrと組合せnCrの違いを公式と階乗の意味から整理し、くじやチーム分けといった身近な具体例、重複を許す場合の数え方、パスカルの三角形との関係までをやさしく解説します。
「5人から3人を選ぶ方法は何通り?」と聞かれたとき、答えが10通りになることもあれば60通りになることもあります。同じ「5人から3人」なのに、なぜ数が変わるのでしょうか。鍵は順番を区別するかどうかです。順番を区別するのが順列、区別しないのが組合せです。本記事では、この2つの違いを公式と具体例で整理し、つまずきやすいポイントをやさしく解説します。
順列と組合せの違いとは
場合の数を数えるとき、もっとも大切な問いは「並べるのか、それとも選ぶだけなのか」です。
- 順列(じゅんれつ):選んだものを並べる。順番が違えば別物として数える。記号は nPr。
- 組合せ(くみあわせ):選ぶだけで並べない。順番が違っても同じものとして数える。記号は nCr。
たとえば「A・B・Cの3人から2人を選ぶ」とき、組合せでは {A,B}・{A,C}・{B,C} の3通りです。ところが順列では、AとBを選んでも「AB」と「BA」を別々に数えるため、AB・BA・AC・CA・BC・CB の6通りになります。順列は組合せより数が多くなるのが基本です。なぜなら、選んだあとにさらに「並べ方」の分だけ枝分かれするからです。
判断のコツは「席順・順位・パスワードのように並び順に意味があるか」を考えることです。意味があれば順列、なければ組合せです。実際に数値を入れて確かめたいときは、組合せ計算ツールでnとrを変えながら結果を見比べると違いがつかみやすくなります。
順列nPrの公式と階乗
順列の公式を理解するには、まず階乗(かいじょう)を知る必要があります。階乗は「!」で表し、1からその数までを全部かけ合わせたものです。たとえば 5! = 5×4×3×2×1 = 120 です。これは「5個のものを1列に並べる方法の総数」と同じです。最初の位置に5通り、次に4通り、その次に3通り…と決めていくからです。
では、n個から r個を取り出して並べる順列はどう数えるでしょうか。最初の1個はn通り、2個目は残りからn-1通り、3個目はn-2通り…と続き、r個目はn-r+1通りです。これをかけ合わせると順列の数になります。
nPr = n × (n-1) × (n-2) × … × (n-r+1) = n! ÷ (n-r)!
たとえば「5人から3人を選んで1列に並べる」なら、5P3 = 5×4×3 = 60通りです。階乗で書けば 5! ÷ 2! = 120 ÷ 2 = 60 となり、同じ答えが得られます。なお、r個すべてを並べる場合、つまり n=r のときは nPn = n! となり、ただの「全部を並べる」総数に一致します。
階乗は数が増えるとあっという間に巨大になります。10! でもすでに約360万です。手計算がつらい大きな数では、関数電卓の階乗(x!)機能を使うと安全に計算できます。
組合せnCrの公式
組合せは「並べない」ぶん、順列より数が少なくなります。具体的には、順列nPrの中には「同じメンバーの並べ替え」が重複して含まれているので、その重複分で割れば組合せになります。r個の並べ替えは r! 通りあるので、次の公式が成り立ちます。
nCr = nPr ÷ r! = n! ÷ ( r! × (n-r)! )
先ほどの「5人から3人」を組合せで数えると、5C3 = 60 ÷ 3! = 60 ÷ 6 = 10通りです。順列の60通りを、3人の並べ替え(3! = 6通り)で割った結果が10通りというわけです。
組合せには覚えておくと便利な性質があります。nCr = nC(n-r) という対称性です。たとえば「10人から7人を選ぶ」のは「10人から残す3人を選ぶ」のと同じなので、10C7 = 10C3 = 120通りです。選ぶ数が多いときは、残す数で計算すると楽になります。また、nC0 = 1、nCn = 1 も基本です(何も選ばない、全部選ぶ方法はそれぞれ1通り)。数が大きく暗算が難しいときは、組合せ計算ツールにnとrを入力すれば一瞬で答えが出ます。
具体例:くじとチーム分け
違いがいちばんはっきりするのは、身近な場面に当てはめたときです。
1. くじ・当選(順位がある=順列)
10本のくじから「1等・2等・3等」を1本ずつ決めるなら、賞の重みが違うので順番に意味があります。よって順列で、10P3 = 10×9×8 = 720通りです。「誰が1等か」まで区別するので数が多くなります。
2. 代表を選ぶ(順位がない=組合せ)
一方、10人から「委員を3人選ぶ」だけなら、3人の間に上下はなく選ばれるかどうかだけが問題です。よって組合せで、10C3 = 120通りです。順列の720通りを、3人の並べ替え6通りで割った値に一致します。
3. チーム分け(重複の扱いに注意)
チーム分けは少し注意が必要です。「8人をAチーム4人・Bチーム4人に分ける」なら、Aに入る4人を選べば残りは自動的にBなので 8C4 = 70通りです。ところが「8人を区別のない2つのグループ4人ずつに分ける」場合、AとBの区別がない分さらに2!で割り、70 ÷ 2 = 35通りになります。グループに名前(区別)があるかどうかで答えが変わる、という典型例です。こうした数え分けに自信がないときは、組合せ計算ツールで部分ごとの値を確かめながら組み立てると間違いを防げます。
重複を許す場合の数え方
ここまでは「同じものは二度選べない」前提でした。しかし、サイコロを何度も振る、同じ種類のお菓子を何個でも選べる、といった重複を許す場面もあります。この場合は公式が変わります。
重複順列は、毎回すべての選択肢から選べるので、n通りの選択をr回繰り返すと考えて n^r(nのr乗) 通りです。たとえば数字4桁の暗証番号は、各桁0〜9の10通りが4回なので 10^4 = 10000通りです。
重複組合せは「順番を区別せず、同じものを何個選んでもよい」数え方で、公式は nHr = (n+r-1)Cr です。たとえば「3種類のジュースから合計5本を選ぶ(同じ種類を何本でも可)」なら、3H5 = (3+5-1)C5 = 7C5 = 21通りです。重複組合せは「仕切りと品物の並べ替え」に置き換えて考えると理解しやすく、結局は通常の組合せの計算に帰着します。大きな数になりがちなので、関数電卓で累乗や階乗を使って検算すると安心です。
パスカルの三角形との関係
組合せの値 nCr は、パスカルの三角形という美しい数の並びと深く結びついています。これは、各行の両端を1とし、内側の数を「すぐ上の2つの数の和」で作っていく三角形です。
1
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
このn行目(一番上を0行目と数える)に並ぶ数が、左から順に nC0, nC1, …, nCn になっています。たとえば4行目の「1 4 6 4 1」は、4C0=1, 4C1=4, 4C2=6, 4C3=4, 4C4=1 そのものです。
三角形の「上の2つの数の和」という作り方は、数式で書くと nCr = (n-1)C(r-1) + (n-1)Cr という関係(パスカルの公式)に対応します。これは「ある特定の1人に注目し、その人を選ぶ場合と選ばない場合に分ける」と直感的に理解できます。また、各行の数を全部足すと 2^n になる、左右対称になる(前述の nCr = nC(n-r))など、組合せの性質が三角形の形にそのまま現れます。公式の暗記に頼らず、こうした構造で理解しておくと応用が利きます。実際の数値は 関数電卓 や 組合せ計算ツール で確かめながら、三角形と見比べてみてください。
なお本記事は一般的な学習情報の提供を目的としたものです。試験や課題で扱う際は、出題範囲や記号の定義(nPr・nCrの書き方など)が教材によって異なる場合があるため、最新の教科書や公式の資料も確認したうえで活用してください。
よくある質問
順列と組合せの違いは何ですか?
最大の違いは「順番を区別するかどうか」です。順列nPrは選んだものを並べるため、順番が違えば別物として数えます。組合せnCrは選ぶだけで並べないため、順番が違っても同じものとして数えます。同じ「nからr個」でも、順列のほうが必ず数が多くなります。席順や順位のように並び順に意味があれば順列、なければ組合せと判断します。
nPrとnCrの公式を教えてください。
順列は nPr = n! ÷ (n-r)! = n×(n-1)×…×(n-r+1) です。組合せは nCr = nPr ÷ r! = n! ÷ (r!×(n-r)!) です。組合せは、順列に含まれる「同じメンバーの並べ替え(r!通り)」の重複を割って取り除いたものと考えると理解しやすくなります。
階乗(!)とは何ですか?
階乗は1からその数までをすべてかけ合わせたもので、記号は「!」です。たとえば 5! = 5×4×3×2×1 = 120 で、これは5個を1列に並べる方法の総数と同じです。なお 0! = 1 と定義されており、組合せや順列の公式が破綻なく成り立つようになっています。
重複を許す場合はどう数えますか?
同じものを何度でも選べる場合、順番を区別する重複順列は n^r(nのr乗)通りです。たとえば4桁の暗証番号は 10^4 = 10000通りです。順番を区別しない重複組合せは nHr = (n+r-1)Cr で計算します。通常の順列・組合せとは公式が異なるため、重複の可否をまず確認することが大切です。
計算結果はサーバーに送信されますか?
WAZA TOOLSの組合せ計算ツールや関数電卓はすべてブラウザ内で処理され、入力した数値や計算結果がサーバーに送信・保存されることはありません。スマートフォンでも利用でき、何度でも無料で順列・組合せの計算ができます。