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基礎代謝(BMR)とTDEEとは|ミフリン式・活動レベル係数の計算をやさしく解説

「1日に何kcal消費しているのか」を知ることは、ダイエットや筋肉づくりの第一歩です。本記事では、基礎代謝(BMR)とは何か、総消費カロリー(TDEE)との違い、計算に使うミフリン・サンジョール式、活動レベル係数1.2〜1.9の選び方、減量・増量での目安、そして数式では拭えない個人差という注意点までをやさしく解説します。

公開: 2026-10-16

「食べる量を減らしているのに痩せない」「しっかり食べているのに体重が増えない」。その原因を考えるうえで欠かせないのが、自分が1日にどれくらいのエネルギーを消費しているかという数字です。その土台になるのが基礎代謝(BMR)と、そこから求める総消費カロリー(TDEE)です。本記事では、両者の違いから具体的な計算方法、そして数字をどう活かすかまでを順を追って解説します。

基礎代謝(BMR)とは何か

基礎代謝(BMR:Basal Metabolic Rate)とは、何もせずじっと横になっていても、生命を維持するために消費されるエネルギーのことです。心臓を動かし、呼吸をし、体温を保ち、内臓を働かせる——こうした「生きているだけで使うカロリー」がBMRにあたります。

意外に思われるかもしれませんが、1日の総消費カロリーのうち、運動ではなくこの基礎代謝が占める割合が最も大きく、一般的に全体の約60〜70%を占めるといわれます。つまり、消費カロリーの大半は「特別なことをしなくても」使われているのです。

BMRは、体格・年齢・性別によって変わります。一般に、筋肉量が多いほど、体が大きいほどBMRは高く、加齢とともに低下していきます。男性が女性より高めになりやすいのも、平均的に筋肉量が多いためです。年齢を重ねると太りやすくなるのは、この基礎代謝の低下が一因です。

TDEE(総消費カロリー)とBMRの違い

BMRが「生きているだけで使うカロリー」だとすれば、TDEE(Total Daily Energy Expenditure:総消費カロリー)は「1日に実際に消費する全カロリー」です。BMRに、日常の活動や運動で使うエネルギーを上乗せしたものがTDEEになります。

1日の消費カロリーは、おおまかに次の要素で構成されます。

  • 基礎代謝(BMR):生命維持に使うエネルギー。最も大きな割合を占める。
  • 活動による消費:歩く、家事をする、運動するなど体を動かすことで使うエネルギー。
  • 食事誘発性熱産生(DIT):食べ物を消化・吸収する際に使われるエネルギー。

ダイエットや増量で本当に基準にすべきなのは、BMR単体ではなく、このTDEEです。「TDEEより少なく食べれば減量、多く食べれば増量」という関係が、体重管理のもっとも基本的な原則になります。BMRはあくまでTDEEを求めるための出発点だと考えてください。

自分のBMRとTDEEを実際の数字で知りたい場合は、基礎代謝・TDEE計算ツールに身長・体重・年齢・活動レベルを入力すると、後述する計算をまとめて行ってくれます。

ミフリン・サンジョール式でBMRを計算する

BMRを推定する式はいくつかありますが、現在もっとも広く使われ、精度が高いとされるのがミフリン・サンジョール式(Mifflin-St Jeor式)です。1990年に発表された比較的新しい式で、現代人の体型によく合うとされています。

男性:BMR = 10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢 + 5
女性:BMR = 10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) − 5 × 年齢 − 161

男性と女性で、最後の定数(+5 と −161)だけが異なる点に注目してください。たとえば、身長170cm・体重65kg・30歳の男性であれば、次のように計算します。

  • 10 × 65 = 650
  • 6.25 × 170 = 1062.5
  • 5 × 30 = 150
  • BMR = 650 + 1062.5 − 150 + 5 = 約1567 kcal

つまりこの人は、1日中ベッドで寝ていたとしても約1567kcalを消費する計算になります。なお、古くから使われるハリス・ベネディクト式という式もありますが、現代の体型ではやや高めに出る傾向があり、現在はミフリン・サンジョール式が推奨される場面が増えています。電卓で手計算するのは少々面倒なので、基礎代謝・TDEE計算ツールを使うと入力するだけで瞬時に結果が得られます。

活動レベル係数(1.2〜1.9)でTDEEを出す

BMRが求まったら、それに活動レベル係数(PAL)を掛けることでTDEEを推定します。係数は、日々どれくらい体を動かしているかに応じて、おおむね1.2〜1.9の範囲から選びます。

活動レベル目安係数
ほぼ運動なしデスクワーク中心、運動の習慣がない約1.2
軽い運動週1〜3回の軽い運動や散歩約1.375
中程度の運動週3〜5回の運動約1.55
激しい運動週6〜7回の強い運動約1.725
非常に激しい毎日激しい運動、肉体労働や1日2回の練習約1.9

計算はTDEE = BMR × 活動レベル係数とシンプルです。先ほどのBMR1567kcalの人が「中程度の運動(係数1.55)」を選んだ場合、TDEEは 1567 × 1.55 = 約2429 kcal となります。この約2429kcalが、その人が体重を維持するために必要な、1日のおおよそのエネルギー量です。

係数選びでは欲張って高い値を選びすぎないことがコツです。「自分は意外と動いていない」と一段下の係数を選ぶくらいが、現実的な数字に近づきやすいといわれます。

ダイエット・増量での目安にする

TDEEがわかれば、目的に応じた1日の目標摂取カロリーが見えてきます。基本はTDEEを基準に、減量なら引き、増量なら足すという考え方です。

1. ダイエット(減量)の場合

体脂肪を1kg減らすには、おおよそ7200kcalのマイナスが必要とされます。急激な減量は筋肉の減少や体調不良を招きやすいため、TDEEから1日あたり300〜500kcal程度を引いた値を目安にするのが現実的です。先のTDEE2429kcalの人なら、1日約1900〜2100kcalが減量の目安になります。

2. 増量(筋肉づくり)の場合

筋肉を増やしたい場合は、TDEEより多くのエネルギーを摂る必要があります。脂肪をできるだけ増やさずに筋肉を増やすには、TDEEに1日200〜400kcal程度を上乗せし、十分なたんぱく質を摂りながらトレーニングを行うのが定石です。摂取カロリーだけでなく、たんぱく質・脂質・炭水化物の配分(PFCバランス)も重要になります。具体的な配分はPFCバランス計算ツールで目標カロリーから三大栄養素のグラム数を求めると分かりやすいでしょう。

いずれの場合も、最初に決めた数字は「仮説」にすぎません。2〜4週間ほど続けて体重や体型の変化を見ながら、摂取カロリーを少しずつ調整していくことが成功への近道です。

注意点:数式と個人差

BMRやTDEEの計算式はとても便利ですが、あくまで統計から導かれた「推定値」であることを忘れてはいけません。実際の代謝には、数式に表れない多くの要因が影響します。

  • 体組成:同じ体重でも、筋肉が多い人と脂肪が多い人ではBMRが変わります。計算式は体脂肪率を考慮しないため、誤差が出ることがあります。
  • 体質・ホルモン:甲状腺の働きやホルモンの状態によって代謝は変動します。
  • 生活の変動:睡眠、ストレス、気温、その日の活動量によっても消費は日々変わります。

そのため、計算で出た数字を絶対視せず、「自分の体で測りながら微調整する出発点」として使うのが正しい付き合い方です。同じ食事・活動を続けて体重が変わらなければ、その時点の摂取カロリーがあなたの実際のTDEEに近い、と考えることもできます。

まずは基礎代謝・TDEE計算ツールで自分のおおよその数字を把握し、目標に合わせて摂取カロリーを設定してみてください。数字という客観的な基準を持つことが、感覚だけに頼らない体づくりの第一歩になります。

なお本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的・栄養学的な助言に代わるものではありません。持病がある方や大幅な食事制限を行う方は、最新の公式情報を確認のうえ、必要に応じて医師や管理栄養士などの専門家に相談して判断してください。

よくある質問

基礎代謝(BMR)とTDEEの違いは何ですか?

基礎代謝(BMR)は、何もせず横になっていても生命維持のために消費されるエネルギーで、1日の消費カロリーの約60〜70%を占めます。TDEE(総消費カロリー)は、そのBMRに日常の活動や運動、食事の消化で使うエネルギーを加えた「1日に実際に消費する全カロリー」です。ダイエットや増量で基準にすべきはTDEEのほうです。

ミフリン・サンジョール式とは何ですか?

基礎代謝を推定する計算式の一つで、現在もっとも広く使われ精度が高いとされる方法です。男性は「10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢+5」、女性は最後の定数が「−161」になります。古いハリス・ベネディクト式より現代の体型に合いやすいとされています。

活動レベル係数はどう選べばよいですか?

日々の運動量に応じて、ほぼ運動なしの1.2から、非常に激しい運動の1.9までの範囲で選びます。デスクワーク中心なら1.2、週3〜5回運動するなら1.55程度が目安です。迷ったら一段低めを選ぶと、現実的な数字に近づきやすいとされています。TDEEはBMR×この係数で求めます。

ダイエットでは何kcal減らせばよいですか?

体脂肪1kgの減少には約7200kcalのマイナスが必要とされます。急な減量は筋肉減少や体調不良を招きやすいため、TDEEから1日300〜500kcal程度を引いた値を目安にするのが現実的です。2〜4週間ほど続けて体重の変化を見ながら調整しましょう。

基礎代謝・TDEE計算ツールに入力した情報はサーバーに送信されますか?

WAZA TOOLSの基礎代謝・TDEE計算ツールはすべてブラウザ内で計算され、入力した身長・体重・年齢などの情報がサーバーに送信・保存されることはありません。スマートフォンでも利用でき、何度でも無料でBMRとTDEEを計算できます。