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こどもNISAとは?|2027年開始の仕組み・ジュニアNISAとの違い・始め方

2027年1月から、NISAのつみたて投資枠を0〜17歳の子どもも使えるようになります。一般に「こどもNISA」と呼ばれるこの制度について、投資枠や払い出しのルール、18歳以降の扱い、ジュニアNISAとの違い、積立シミュレーション、贈与税の注意点までをわかりやすく解説します。

公開: 2026-10-16

「子どもの教育資金を、税金を気にせずコツコツ積み立てたい」。そんな家庭に向けて、2027年1月から新しい仕組みが始まります。これまで18歳以上しか使えなかったNISAの「つみたて投資枠」が、0〜17歳の子どもにも開放されるのです。一般に「こどもNISA」と呼ばれるこの制度は、かつてのジュニアNISAと何が違い、いつお金を引き出せて、親や祖父母がお金を出すときの税金はどうなるのか。2026年10月時点で公表されている内容をもとに、順を追って整理します。

こどもNISAとは?2027年1月に始まる制度の基本

こどもNISAは、令和8年度税制改正大綱(2025年12月)で、NISAのつみたて投資枠を0〜17歳の未成年にも開放することが示された仕組みの通称です。2027年1月1日以降に開設されるNISA口座から利用できます。主要な証券会社では2026年10月1日から口座開設の申し込み受付が始まっていますが、実際に口座が開設されるのは2027年1月以降です。

口座は子ども本人の名義でつくり、手続きや運用は親権者などが子どもに代わって行います。主なルールは次のとおりです。

項目こどもNISAのルール
対象年齢0〜17歳
開始時期2027年1月(2027年1月1日以降に開設する口座から)
使える投資枠つみたて投資枠のみ(成長投資枠はなし)
年間投資上限60万円(毎月なら5万円)
非課税保有限度額600万円(買付額ベース)
非課税期間無期限
対象商品つみたて投資枠の対象商品(金融庁の基準を満たす投資信託など)
払い出し原則18歳まで不可(12歳以降は条件付きで可)
18歳以降自動的に大人のNISAへ移行

大人のNISAと比べると、年間の上限はつみたて投資枠の半分(120万円→60万円)で、個別株などに投資できる成長投資枠もありません。長期の積立・分散投資に向いた投資信託を、毎月コツコツ買っていく制度だと考えるとわかりやすいでしょう。非課税期間に期限がないため、子どもが小さいうちに始めるほど、時間を味方につけやすくなります。

払い出しのルール(原則18歳まで・12歳以降の例外)

こどもNISAで最も注意したいのが、お金を引き出す(払い出す)ときのルールです。子どもが大人になってからの資金づくりという目的から、原則として18歳になるまでは払い出しができません。例外として認められているのは次の2つです。

  1. 12歳以降に、子ども本人の教育費・生活費に充てる場合:その年の3月31日時点で12歳以上である年以降が対象で、本人の同意を確認できる書類の提出が必要です。日本証券業協会の案内では、一般的に「小学6年生の1月以降」とされています。
  2. 災害や病気などやむを得ない場合:日本証券業協会の案内では、この場合はNISA口座を廃止し、口座内のすべての資産を払い出す扱いとされています。具体的な手続きは金融機関の案内を確認してください。
時期・ケース払い出しの扱い
小学6年生の12月ごろまで原則としてできない(災害などの例外を除く)
12歳以降(一般的に小学6年生の1月以降)本人の教育費・生活費に充て、同意を確認できる書類を出せば非課税で可
災害や病気などやむを得ない場合非課税で払い出し可(NISA口座は廃止し、すべての資産を払い出す)
上記の条件に合わない払い出し非課税にならない
18歳以降(一般的に高校3年生の1月以降)払い出しの制限なし

払い出しは、資金の使いみちが子どものためであることが前提で、子どもが同意したことを示す書面を添えて、親権者などが金融機関に申し出る仕組みとされています。日本証券業協会の案内では、条件に合わない払い出しをすると、それまで非課税だった利益や含み益にも課税され、NISA口座も廃止されるとされています。口座内で投資信託を売却すること自体はできますが、売却代金は専用の口座で管理され、自由には引き出せないと案内されています。

ポイント:中学・高校の学費など、12歳以降の子ども本人の教育費には条件付きで使える道があります。ただし、それより前に必要になるお金や、親の生活費など子ども本人以外のための支出には充てられません。近いうちに使う予定のお金は、預貯金など別の方法で準備しておくと安心です。

18歳になると大人のNISAへ自動で移行

こどもNISAの口座は、子どもが18歳になると、特別な手続きなしで自動的に大人のNISAへ移ります。積み立ててきた資産もそのまま引き継がれ、非課税のまま運用を続けられます。移行後は、つみたて投資枠(年120万円)に加えて成長投資枠(年240万円)も使えるようになり、大人になってからの資産づくりにそのままつなげられます。

ここで押さえておきたいのが、生涯の非課税枠との関係です。こどもNISAで投資した金額は、大人のNISAの生涯非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)に含まれます。たとえばこどもNISAで600万円を使っていれば、大人になってから使える残りの枠は1,200万円という計算です。「こどもNISAの600万円とは別に、さらに1,800万円使える」わけではない点に注意しましょう。

なお、日本証券業協会の案内では、払い出しの制限は一般的に高校3年生の1月以降に解除され、大人のNISAへの移行は「その年1月1日において18歳の年から」とされています。同じ学年でも誕生日によって移行の時期が異なるため、大学の入学金など高校3年生の冬以降に使う予定があるときは、金融機関の案内もあわせて確認してください。18歳以降も積立を続けた場合の将来像は、NISAシミュレーションツールで試算できます。

ジュニアNISA・大人のNISAとの違い

子ども向けの非課税制度としては、2016〜2023年に「ジュニアNISA」がありました。年80万円まで投資できましたが、非課税期間は5年で、原則18歳まで払い出しができず、途中で払い出すと過去の利益にも課税される仕組みでした。利用が広がらなかったこともあり、2023年で新規の投資は終了しています。3つの制度を並べると、違いは次のとおりです。

項目こどもNISAジュニアNISA(旧制度)大人のNISA
対象0〜17歳未成年者18歳以上
時期2027年1月から2016〜2023年(新規の投資は終了)2024年1月から
年間投資上限60万円(つみたて投資枠のみ)80万円360万円(つみたて120万円+成長240万円)
非課税保有限度額600万円—1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
非課税期間無期限5年無期限
払い出し原則18歳まで不可(12歳以降は本人の教育費・生活費に限り可)原則18歳まで不可(払い出すと過去の利益にも課税)いつでも可

こどもNISAは、ジュニアNISAの弱点だった「非課税期間の短さ」と「18歳まで使えない硬さ」を見直し、大人のNISAへ途切れずにつながる設計になっています。一方で、年間の上限はジュニアNISAより小さく、商品もつみたて投資枠の対象に限られます。大人のNISAの基本や複利の考え方は、新NISAの始め方と複利の力で詳しく解説しています。

毎月いくら?年齢別の積立シミュレーション

こどもNISAの年間上限は60万円なので、0歳から毎月5万円ずつ積み立てると、10年で600万円の上限に達します。毎月1万円なら、18年間で元本は216万円です。始める年齢と積立額ごとに、18歳時点の資産の目安を計算すると次のようになります(利回りは仮定です)。

始める年齢・毎月の積立額積立期間元本年3%の場合年5%の場合
0歳から毎月1万円18年216万円約289万円約355万円
0歳から毎月2万円18年432万円約579万円約709万円
0歳から毎月3万円16年8カ月で上限に到達600万円約818万円約1,012万円
0歳から毎月5万円10年で上限に到達600万円約898万円約1,171万円
6歳から毎月3万円12年432万円約526万円約602万円
12歳から毎月5万円6年360万円約400万円約429万円

※1年分の積立額を年の初めにまとめて入れ、年1回の複利で運用したと仮定した概算です(こどもNISAシミュレーションツール・NISAシミュレーションツールと同じ計算方法)。実際には毎月少しずつ積み立てるため、結果はこれよりやや少なくなります。上限に達したあとは積立をやめ、18歳まで運用だけを続けたものとしています。手数料や価格の変動は考慮しておらず、将来の成果を保証するものではありません。

600万円の上限は買付額で数えるため、運用で増えた分は上限に含まれません。同じ元本600万円でも、早く上限まで積み立てたほうが運用期間が長くなり、増える額は大きくなる計算です。しかも利益は非課税なので、0歳から毎月5万円・年5%のケース(利益約571万円)なら、通常の課税口座で約20%(20.315%)の税金がかかる場合と比べて、単純計算で約116万円の差になります。とはいえ、上限を早く埋めることより、家計に無理のない金額で長く続けることのほうが大切です。

自分の家庭の条件で試したいときは、こどもNISAシミュレーションツールが便利です。毎月の積立額や利回りに加えて教育費の引き出し予定も入力でき、18歳時点の資産や、600万円の上限に達する年齢を確認できます。

親や祖父母が出すお金と贈与税の注意点

こどもNISAは子ども名義の口座なので、親や祖父母が出すお金は、税金のうえでは子どもへの「贈与」にあたります。日本証券業協会の案内でも、買付けに使えるのは子ども本人に帰属するお金に限られ、親や祖父母の口座から直接買い付けることはできず、子ども名義の銀行口座などにある資金を使う必要があるとされています。

贈与税には、受け取る人ごとに年110万円の基礎控除があります。年60万円の積立はこの範囲内ですが、同じ年に子どもが受け取ったほかの贈与と合算して判定する点に注意が必要です。祖父母からまとまった援助を受けた年などは、こどもNISAの分と合わせて110万円を超えないか確認しましょう。金額ごとの税額の目安は贈与税計算ツールで確認できます。

もう一つの注意点が、いわゆる「名義預金」です。子ども名義の口座であっても、実態は親のお金を親が管理しているだけと判断されると、子どもではなく親の財産とみなされ、将来の相続のときなどに問題になることがあります。贈与の事実をはっきりさせる方法として、贈与契約書を作る、親の口座から子ども名義の口座へ振り込んで記録を残す、といったことが一般によく挙げられます。

また国税庁は、たとえば「毎年100万円ずつ10年間贈与する」とあらかじめ約束している場合には、約束をした年に定期金に関する権利の贈与を受けたものとして贈与税がかかると説明しています。毎年の贈与をどう進めるかは家庭の状況によって異なるため、具体的には税理士や税務署に確認してください。贈与税のしくみは贈与税の基礎の記事でも解説しています。

こどもNISAの始め方と利用前の確認ポイント

  1. 金融機関を選ぶ:つみたて投資枠の対象商品のラインナップや積立の設定方法、使いやすさなどを比べます。日本証券業協会の案内では、こどもNISAの間は金融機関の変更ができないとされています(口座を廃止して別の金融機関で開き直すことはできるものの、その際は利益や含み益に課税されると案内されています)。最初の選択は慎重に行いましょう。
  2. 口座開設を申し込む:親権者などが子どもに代わって申し込みます。必要書類や手続きの流れは金融機関ごとに異なるため、事前に案内を確認しておきましょう。買付けには子ども名義の口座のお金を使うので、子ども名義の銀行口座なども準備しておくとスムーズです。
  3. 商品と積立額を決めて積立を始める:口座が開設される2027年1月以降、対象商品の中から投資信託を選び、積立額(毎月なら最大5万円)を設定します。使う時期が近いお金ほど値動きの影響を受けやすいため、いつ・何に使う予定かを考えて金額を決めましょう。

始める前には、次の点もあわせて考えておくと安心です。

  • 家計全体の優先順位:こどもNISAは原則18歳まで自由に引き出せません。生活防衛資金や親自身の老後資金とのバランスを考え、無理のない金額にしましょう。親の資産形成は新NISAとiDeCoの違いと使い分けも参考になります。
  • 元本割れの可能性:投資信託は値動きがあり、18歳の時点で元本を下回っていることもあります。
  • 子どもと話すきっかけに:子ども名義の資産を一緒に見ながら、お金や投資について話す機会にするのもよいでしょう。

※本記事は、2026年10月時点で公表されている令和8年度税制改正大綱や、金融庁・日本証券業協会などの資料をもとに、こどもNISAの一般的な情報をまとめたものです。制度の細部や手続き、金融機関ごとの取り扱いは変わる可能性があるため、金融庁や各金融機関の最新の案内を必ずご確認ください。本記事は投資の勧誘や助言を目的としたものではなく、特定の金融商品の購入を勧めるものでもありません。投資信託は値動きがあり、元本割れの可能性があります。試算の利回りは仮定であり、将来の成果を保証するものではありません。贈与税など税金の取り扱いは個別の状況によって異なるため、税理士や税務署にご確認ください。

よくある質問

こどもNISAはいつから始まりますか?

2027年1月から始まります。2027年1月1日以降に開設されるNISA口座が対象です。主要な証券会社では2026年10月1日から口座開設の申し込み受付が始まっていますが、実際に口座が開設され、積立を始められるのは2027年1月以降です。

こどもNISAではいくらまで投資できますか?

使えるのはつみたて投資枠のみで、年間60万円(毎月なら5万円)まで、非課税保有限度額は600万円です。非課税期間は無期限で、成長投資枠はありません。対象商品は、金融庁の基準を満たす投資信託など、つみたて投資枠の対象商品です。

こどもNISAのお金は途中で引き出せますか?

原則として18歳になるまで払い出しはできません。例外は、その年の3月31日時点で12歳以上である年以降に子ども本人の教育費や生活費に充てる場合で本人の同意を確認できる書類を提出したときと、災害や病気などやむを得ない場合(NISA口座は廃止となり、すべての資産を払い出します)です。条件に合わない払い出しは非課税になりません。

18歳になったらこどもNISAはどうなりますか?

特別な手続きなしで自動的に大人のNISAへ移行し、資産もそのまま引き継がれます。こどもNISAで投資した金額は大人のNISAの生涯非課税保有限度額1,800万円に含まれるため、たとえば600万円を使っていれば、残りの枠は1,200万円という計算になります。

ジュニアNISAとの違いは何ですか?

ジュニアNISAは年80万円まで投資でき、非課税期間は5年、原則18歳まで払い出しができず、払い出すと過去の利益にも課税される制度で、2023年で新規の投資は終了しました。こどもNISAは年60万円・上限600万円で非課税期間は無期限、12歳以降は条件付きで教育費などに払い出せ、18歳で大人のNISAへ移行します。

親や祖父母がお金を出すと贈与税はかかりますか?

親や祖父母が出すお金は子どもへの贈与にあたります。贈与税の基礎控除は受け取る人ごとに年110万円で、年60万円の積立はその範囲内ですが、同じ年に受け取ったほかの贈与と合算して判定します。名義預金とみなされないよう贈与の記録を残すことなどが一般に挙げられますが、具体的な判断は税理士や税務署に確認してください。