計算

1RM(最大挙上重量)とは|推定式・%1RM表・目的別の負荷設定をやさしく解説

1RM(最大挙上重量)は、トレーニングの負荷を決める基準となる数字です。本記事では「1RMとは何か」から、エプリー法・ブリジキ法などの推定式、回数と重量の関係を示す%1RM表、筋力・筋肥大・筋持久力という目的別の負荷設定、そして安全に測るための注意点までをやさしく解説します。

公開: 2026-10-16

「ベンチプレスのMAXはどれくらい?」という会話を聞いたことはないでしょうか。この「MAX」こそが1RMです。トレーニングでは、扱う重量を「何キロにするか」ではなく「自分の最大値の何パーセントにするか」で考えると、目的に合った効果的なメニューが組めます。本記事では、1RMとは何か、どうやって推定するのか、そして目的別にどんな重さを選べばよいのかを順を追って解説します。

1RMとは何か

1RM(One Repetition Maximum、最大挙上重量)とは、ある種目を正しいフォームで1回だけ挙げられる最大の重量のことです。「RM」はRepetition Maximum(反復可能な最大回数)の略で、1RMはそのうち「1回が限界の重さ」を指します。同じように、5回が限界なら5RM、10回が限界なら10RMと表現します。

1RMが重要なのは、それがトレーニング負荷を決める物差しになるからです。筋力を伸ばしたいのか、筋肉を大きくしたいのか、持久力を高めたいのかによって、最適な重量と回数の組み合わせは変わります。その際、「自分の1RMの何パーセントを扱うか」という考え方(%1RM)を使うと、体格や種目が違っても共通の基準でメニューを設計できます。

とはいえ、実際に1回が限界の重量に毎回挑戦するのは、関節やフォームへの負担が大きく危険を伴います。そこで現実的には、軽めの重量で挙げられた回数から1RMを推定する方法が広く使われています。1RM計算ツールを使えば、扱った重量と回数を入力するだけで、おおよその1RMをすぐに確認できます。

1RMの推定式:エプリー法とブリジキ法

1RMを推定する計算式はいくつも提案されていますが、代表的なのがエプリー法(Epley)とブリジキ法(Brzycki)です。どちらも「ある重量を何回挙げられたか」という2つの数字から1RMを割り出します。

推定式計算の考え方傾向
エプリー法重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)回数が多いとやや高めに出やすい
ブリジキ法重量 ÷(1.0278 − 0.0278 × 回数)低回数で安定しやすい

たとえば60kgで10回挙げられた場合、エプリー法では「60 ×(1 + 10 ÷ 30)= 80kg」、ブリジキ法では「60 ÷(1.0278 − 0.0278 × 10)= 約80.2kg」と、近い値になります。式によって数値に差が出るのは、それぞれが異なるデータをもとに作られているためです。

重要なのは、これらがあくまで推定値であるという点です。実際の1RMは、その日のコンディション、種目、フォームの習熟度、回数を重ねたときの粘り強さなどによって変わります。一般に、回数が少ない(おおむね5回以下)ほど推定の精度は高く、回数が多くなるほど誤差が広がりやすくなります。複数の式の結果を見比べたいときは、1RM計算ツールでまとめて確認すると傾向がつかめます。

回数と重量の関係:%1RM表

1RMが分かると、「その重量の何パーセントなら何回くらい挙げられるか」という目安が見えてきます。これを一覧にしたのが%1RM表です。以下は広く使われている代表的な目安で、個人差はありますが、メニュー作りの出発点になります。

%1RM挙げられる回数の目安
100%1回
95%2回
90%4回
85%6回
80%8回
75%10回
70%12回
65%15回

この表は「重量を上げれば挙げられる回数は減る」という当たり前の関係を数値化したものです。逆に読めば、「ある重量で何回挙げられたか」から1RMを逆算することもでき、これが前述の推定式の考え方とつながっています。たとえば「10回挙げられた重量はおよそ1RMの75%」なので、その重量を0.75で割れば1RMの概算になります。

%1RM表は、メニューの強度をそろえるのにも役立ちます。種目ごとに1RMは違っても、「すべて80%で組む」と決めれば、体への刺激の強さをある程度そろえられます。

目的別の負荷設定:筋力・筋肥大・筋持久力

トレーニングの目的は大きく筋力アップ・筋肥大・筋持久力の3つに分けられ、それぞれ適した%1RMと回数の範囲が異なります。一般的な目安は次のとおりです。

目的%1RMの目安回数の目安
筋力アップ85%以上1〜6回
筋肥大67〜85%6〜12回
筋持久力67%未満15回以上

筋力アップを狙うなら、高重量・低回数で神経系に強い刺激を与えます。1RMの85%以上を1〜6回が目安で、セット間の休憩も長めにとります。筋肥大(筋肉を大きくする)には、中程度の重量で6〜12回を反復し、筋肉に十分な総負荷量を与えるのが定番です。筋持久力を高めたいなら、軽めの重量で15回以上をこなし、繰り返しに耐える力を養います。

これらは厳密な境界ではなく、目的に応じた「重心の置き方」と考えるのが実践的です。多くの人にとっては、複数の目的が重なるため、時期によって重量と回数の設定を変える(ピリオダイゼーション)と効果的です。なお、重さだけでなく運動の強度を心拍数の面から管理したい場合は、心拍ゾーン計算ツールで目標とする心拍ゾーンを把握しておくと、有酸素系のトレーニングと合わせて全体の強度を調整しやすくなります。

安全に測るための注意点

1RMはトレーニングの基準になる便利な数字ですが、測り方を誤るとケガにつながります。安全に扱うために、次の点を意識してください。

  • 実測より推定を優先する:初心者や一人でのトレーニングでは、1回が限界の重量に挑むのは避け、軽めの重量で挙げた回数から推定するのが安全です。
  • 十分なウォームアップ:高重量を扱う前には、軽い重量で関節と筋肉を温め、フォームを確認します。
  • フォームを最優先する:フォームが崩れた状態で挙げた回数は、推定の前提を満たしません。正しい可動域で行える範囲で測りましょう。
  • 補助者やセーフティを用意する:高重量に挑む場合は、補助してくれる人やラックのセーフティバーを必ず使います。
  • 体調と相談する:睡眠不足や疲労が残っている日は、無理に最大値を狙わないことが大切です。

1RMはその日のコンディションで上下する変動的な数字です。一度の測定値に一喜一憂せず、推定値を「だいたいの目安」として活用するのが、長く安全にトレーニングを続けるコツです。

ツールで1RMを把握する

1RMは、扱う重量と目的をつなぐ「物差し」です。まずは普段のトレーニングで挙げた重量と回数を1RM計算ツールに入力し、自分のおおよその1RMを把握してみましょう。そのうえで%1RM表を使えば、「筋肥大なら何キロで何回」といった具体的なメニューにすぐ落とし込めます。さらに、有酸素運動も組み合わせて全体の運動強度を整えたいときは、心拍ゾーン計算ツールで目標心拍を確認しておくと、筋トレと持久系トレーニングのバランスがとりやすくなります。

なお本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。持病がある方、けがからの復帰中の方、トレーニングを始めて間もない方は、無理をせず、必要に応じて医師やトレーナーなどの専門家に相談してください。実践にあたっては、最新の公式情報や専門家の指導も確認したうえで判断してください。

よくある質問

1RMとは何ですか?

1RM(One Repetition Maximum、最大挙上重量)とは、ある種目を正しいフォームで1回だけ挙げられる最大の重量のことです。トレーニングでは、この1RMの何パーセントを扱うか(%1RM)を基準に重量と回数を決めると、目的に合ったメニューを設計しやすくなります。

1RMはどうやって計算しますか?

実際に1回限界の重量に挑むのは危険なため、軽めの重量で挙げられた回数から推定するのが一般的です。代表的な式にエプリー法「重量×(1+回数÷30)」とブリジキ法「重量÷(1.0278−0.0278×回数)」があります。回数が少ないほど推定精度は高くなります。

エプリー法とブリジキ法はどちらが正確ですか?

どちらも推定式であり、絶対的な正解はありません。一般にエプリー法は回数が多いとやや高めに、ブリジキ法は低回数で安定しやすい傾向があります。実際の1RMはコンディションやフォームで変わるため、複数の式の結果を目安として見比べるのがおすすめです。

目的によって扱う重量はどう変えればよいですか?

一般的な目安として、筋力アップは1RMの85%以上で1〜6回、筋肥大は67〜85%で6〜12回、筋持久力は67%未満で15回以上とされます。これらは厳密な境界ではなく、目的に応じた重心の置き方として、時期ごとに設定を変えると効果的です。

1RM計算ツールに入力した数値はサーバーに送信されますか?

WAZA TOOLSの1RM計算ツールはすべてブラウザ内で処理され、入力した重量や回数がサーバーに送信・保存されることはありません。スマートフォンでも利用でき、何度でも無料で1RMを計算できます。