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年収と手取りの違いとは?額面から引かれるものと手取りの目安

求人票の「年収」と、実際に使える「手取り」は別物です。額面から引かれる所得税・住民税・社会保険料の仕組みと、手取りは年収の約75〜85%という目安、年収別の早見表をわかりやすく整理します。

公開: 2026-10-16

転職サイトや求人票に書かれている「年収500万円」。この数字をそのまま毎月使えるお金だと思っていると、いざ給与明細を見たときに「思っていたより手元に残らない」と感じることになります。求人や契約で示される金額は額面(がくめん)=年収であり、実際に銀行口座へ振り込まれる手取りとは別物だからです。この記事では、年収と手取りの違い、額面から何が・どれくらい引かれるのか、そして年収別の手取りの目安を、できるだけわかりやすく整理します。

年収と手取りは何が違うのか

年収(額面・総支給額)とは、毎月の基本給や各種手当、賞与をすべて足した、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。一方で手取り(可処分所得)は、そこから所得税・住民税・社会保険料を差し引いて、実際に自由に使えるお金として手元に残る金額を指します。

式にすると次のようになります。

手取り = 年収(額面) − 社会保険料 − 所得税 − 住民税

つまり、求人票の「年収500万円」と、生活で使える金額には数十万円から100万円近い差が生まれることもあります。家計の計画やローンの返済計画を立てるときは、年収ではなく手取りベースで考えるのが鉄則です。具体的な金額を知りたいときは、手取り計算ツールに年収を入力すると概算の内訳を確認できます。

額面から引かれる3つのもの

給与から天引きされるものは、大きく分けて社会保険料と税金(所得税・住民税)の3種類です。それぞれ性格が違うので順番に見ていきましょう。

社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)

会社員にとって、手取りを最も大きく左右するのが社会保険料です。主な内訳は次の3つです。

  • 健康保険料:医療費の自己負担を3割などに抑えるための保険。40歳以上は介護保険料が上乗せされます。本人負担はおおむね給与の約5%前後。
  • 厚生年金保険料:将来の年金の原資。保険料率は18.3%で固定され、会社と折半するため本人負担は9.15%。天引きの中で最も大きい部分です。
  • 雇用保険料:失業給付などの財源。本人負担は給与の0.5〜0.6%程度と小さめです。

社会保険料の本人負担は合計で額面のおよそ15%前後になることが多く、税金より大きいケースも珍しくありません。なお、これらは「取られるだけ」ではなく、医療・年金・失業時の給付という形で将来戻ってくる性格のお金です。

所得税

所得税は、1年間の所得に応じてかかる国の税金です。所得が多いほど税率が上がる累進課税で、5%から45%まで段階的に設定されています。毎月の給与からは概算で源泉徴収され、年末調整で正しい税額に精算されます。

住民税

住民税は、お住まいの都道府県・市区町村に納める税金です。特徴は前年の所得をもとに計算される点で、所得に対して概ね10%(所得割)に均等割が加わります。新社会人の1年目は住民税が引かれず、2年目から天引きが始まって手取りが減る、というのはこの仕組みによるものです。

手取りの目安は年収の約75〜85%

あくまで一般的な目安ですが、会社員の手取りは年収のおよそ75〜85%に収まるケースが多いです。年収が低いうちは手取り率が高め(85%前後)で、年収が上がるほど所得税の累進や社会保険料の影響で手取り率は下がっていきます。年収1000万円を超えると75%を下回ることもあります。

手取り率が変わる主な要因は次のとおりです。

  • 扶養家族の有無:配偶者控除・扶養控除があると課税対象が減り、手取りが増えます。
  • 年齢:40歳以上は介護保険料が加わり、わずかに手取りが減ります。
  • 各種控除の活用:iDeCoや生命保険料控除などを使うと課税所得が下がります。

賞与(ボーナス)も額面と手取りが異なります。賞与には住民税がかからないため手取り率はやや高めですが、社会保険料と所得税は引かれます。賞与分を試算したいときは賞与手取り計算ツールが便利です。

年収別 手取りの早見表

下の表は、単身・40歳未満・標準的な条件を想定したざっくりした目安です。実際の金額は扶養人数・居住地・各種控除によって変わるため、あくまで「だいたいこのくらい」という感覚をつかむために使ってください。

年収(額面)手取りの目安手取り率の目安
300万円約235〜240万円約80%
400万円約310〜320万円約79%
500万円約385〜395万円約78%
600万円約455〜465万円約77%
800万円約590〜610万円約75%
1000万円約720〜740万円約73%

自分の条件で正確に知りたい場合は、手取り計算ツールに年収や扶養人数などを入力すると、社会保険料・所得税・住民税を分けた概算結果が得られます。

控除を知ると手取りが変わる

手取りを増やす(=課税される所得を減らす)うえで重要なのが控除の考え方です。控除とは、税金の計算対象となる所得から差し引ける金額のことで、主に次のような種類があります。

  1. 基礎控除:所得が一定以下の人なら誰でも受けられる基本の控除。
  2. 給与所得控除:会社員の「みなし経費」として年収に応じて自動的に差し引かれます。
  3. 社会保険料控除:支払った社会保険料は全額が所得控除の対象。
  4. 配偶者控除・扶養控除:扶養する家族がいる場合に適用。
  5. 生命保険料控除・iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)・医療費控除:申告や年末調整で活用できる控除。

これらをきちんと申告・活用すると課税所得が下がり、結果として所得税・住民税が減って手取りが増えます。ふるさと納税やiDeCoが「節税になる」と言われるのは、こうした控除の仕組みを使うためです。

ご注意:本記事は年収と手取り、税金・社会保険料の一般的な仕組みを解説したものです。保険料率や税率、控除の内容は年度・地域・個人の状況により変わり、掲載の数値や早見表はあくまで概算の目安です。正確な金額や個別の判断については、勤務先の給与担当部署、お住まいの自治体、国税庁・日本年金機構などの公式情報、または税理士などの専門家にご確認ください。

よくある質問

年収と手取りはどう違うのですか?

年収は税金や社会保険料を引かれる前の総支給額(額面)で、手取りはそこから所得税・住民税・社会保険料を差し引いて実際に使えるお金です。求人票の年収と生活費に使える額には大きな差があります。

手取りは年収のだいたい何割になりますか?

一般的には年収の約75〜85%が手取りの目安です。年収が低いうちは手取り率が高め、年収が上がるほど所得税の累進や社会保険料の影響で手取り率は下がる傾向があります。

額面から引かれるものは何ですか?

主に社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)と、税金(所得税・住民税)の3種類です。会社員では社会保険料の本人負担が額面の約15%前後と、税金より大きいことも多いです。

新社会人の2年目から手取りが減るのはなぜですか?

住民税は前年の所得をもとに計算されるためです。所得のない1年目は住民税がかからず、2年目から天引きが始まるため、年収が同じでも手取りが減ったように感じます。

手取りを増やすにはどうすればよいですか?

控除を正しく活用して課税所得を下げる方法があります。社会保険料控除や配偶者・扶養控除に加え、iDeCoや生命保険料控除、ふるさと納税などを使うと所得税・住民税が減り、手取りが増える効果が期待できます。